
伊孚九(いふきゅう)1698年–1747年

伊孚九は、中国大陸で清王朝が栄華をきわめていた1700年代前半に活躍した画家です。
本業は貿易商であり、優れた商才を発揮しています。中国本土ではむしろ“やり手の商人”として知られており、絵画はいわば余技としてたしなんでいたものでした(実際、中国の画壇では有名ではありません)。
しかし、貿易の仕事で訪れた日本では画家としての名を轟かせることになります。孚九が伝えた「南宋画」の技法は日本の画家たちを大いに刺激し、「日本南画」の発展に寄与したといわれています。
その作品を愛した江戸時代の日本画家・桑山玉洲は、著書『絵事鄙言』において伊孚九を激賞。「清から訪れた画家の中でも別格の達人である」としています。
そんな伊孚九の作品は、特に日本において至宝というべき価値を持ちつづけ、現在に至っています。
「日本南画」発展のきっかけとなった中国画家
1698年、中国江蘇省の山塘という土地でこの世に生を受けた伊孚九は、才能豊かな若者として商いの世界に足を踏み入れ、馬を扱う貿易商として活躍します。 若くして精緻なタッチが特徴的な山水画を得意としましたが、こちらはむしろ趣味のようなもの。普段は本業に打ち込み、特に軍用馬の商いを中心に行いました。
伊孚九の名が日本に知られるようになったのは、1720年以降のことです。 当時、日本は江戸時代中期の享保5年。名君とうたわれた徳川吉宗の治世であり、安定した平和な時代でした。そんな中、伊孚九は馬を商うために長崎に上陸します。 孚九はその生涯において計5回、貿易商として日本を訪れ、清の優れた軍用馬を徳川幕府の「御用馬」として用立てたこともあり、幕府から褒賞を受けています。
貿易商として商いに励むと同時に、孚九は余技としてたしなんでいた絵画を日本に伝えています。 中国伝統の「南宋画」の技法を駆使した山水画は、桑山玉洲や池大雅といった画家たちに衝撃を与え、これに影響された作品が数多く生み出されることになりました。 のちに池大雅が完成させた「日本南画」は、孚九の作品をきっかけに生み出されたといわれています。
伊孚九の代表作
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「離合山水図」
気品ある峰々が佇立し、豊かな自然が広がるさまを単色でみずみずしく描いた、3幅からなる作品です。 1幅ずつでも作品として成立しますが、3幅合わせてもひとつの絵画として鑑賞できるようになっているのが特徴です(それゆえに“離合”という語が含まれています)。 日本では、南宋画の傑作として知られる作品です。 江戸時代にこの作品を所蔵していた家では、何かの折に絵を見せなければならなかったときも決して実物を出すことはなく、日本の画家が模写したものを見せていたという逸話が残っています。
その他、日本で書かれた『絵事鄙言』『近世名家書畫談三編』といった書物において、伊孚九の作品は大いに称揚されています。
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